Category Archives: Disk Review

morningdeer

morningdeerの来日

morningdeer

昨夜落合soupでのmorningdeerは実に圧倒的であった。

アブァンポップという形容は彼女の音楽の焦点からズレてしまうかもしれない。その言葉にメインストリームへのカウンターの意が含まれているなら、そのストレートで卓越した音楽性との距離感を見誤る可能性がある。であるならば、実験的なエレメントは散りばめられているものの、ジャズやポップス、フォークやエレクトロニックミュージックに至るまで、重層的に様々な要素を包括したバックボーン豊かなシンガーソングライター、と表現したい(長い)。

soupのキャパ的にはかなりの入りだったし、あの空間にあれ以上人が多いと僕はしんどいのだが、もっと多くの人に目撃されるべきアクトだったことは間違いない。
打ち上げ花火的な戦略的コラボだったり、当人のメディア露出を含めたプレゼンスのあり方よりも、まっすぐにその楽曲や演奏の素晴らしさ、豊穣な音楽性で勝負している人を応援したいし信じたい。そう改めて思った夜だった。

そして、いつの時代もそうであるように、インディペンデントなレーベルやメディアには、実績を備え人気を確約されたアーティストをピックアップすることではなく、新たな価値の発掘・発見であり、ある種のプロポーザルが求められていると思っている。
そして、彼女の作品をリリースし日本に招聘したWhereabouts Recordsはまさにそういうことをやっているのだと思うし、心から拍手を贈りたい。

Senking - Capsize Recovery

[Review] Senking – Capsize Recovery

Senking - Capsize Recovery

Raster-Nortonからの新作。
ラップトップを使わないミュージシャンとのこと。
その話を聞くまでもなくアナログシンセベース全開な重心の低いサウンドからそれとわかる。
エンヴェロープのなまりやフィルターの質感なども、あえてそれとわかる音色を選んでいるように思える。
シンプルに刻むビート、メロディ感希薄なシンセと深く緻密な残響処理で飽きることなく聴かせてしまう。
低域にかなりのエネルギーが詰め込まれたサウンドだけど、破綻することのないミックス/マスタリングも参考になった。

Todd Edwards - Prima Edizione

[Review] Todd Edwards – Prima Edizione

Todd Edwards - Prima Edizione

たまには旧譜を。
ハウスミュージックの重鎮、Todd Edwardsの1stアルバム。1999年。
DaftPunkがフィーチャリングしたりBoilerRoomなんかにも出てるから若い人も知ってると思うんだけど
日本ではあまり言及する人がいない。
エディット感覚には時代特有の粗さみたいなものも感じるけど、
僕はこのアルバムに今でも大いに鼓舞される。


Theo Parrish's Black Jazz Signature

[Review] Theo Parrish’s Black Jazz Signature

Theo Parrish's Black Jazz Signature

※レビューすんの大変なので買って聴いてよかったやつをメモっていくだけにします

デトロイト・シーンを牽引し続けるセオ・パリッシュによるブラック・ジャズの新解釈。

1. Doug Carn – Trance Dance From the album “Spirit Of The New Land” BJQD/8 (1972)
2. Gene Russell – My Favorite Things From the album “Talk To My Lady” BJQD/11.1. (1973)
3. The Awakening – March On From the album “Mirage” BJQD/15 (1973)
4. The Awakening – Convulsions From the album “Hear, Sense And Feel” BJQD/9 (1972)
5. The Awakening – Jupiter From the album “Hear, Sense And Feel” BJQD/9 (1972)
6. Calvin Keys – Criss-Cross From the album “Shawn-Neeq” BJQD/5 (1971)
7. Rudolph Jonson – The Highest Pleasure From the album “The Second Coming” BJQD/11 (1973)
8. Walter Bishop Jr. – Those Who Chant From the album “Keeper Of My Soul” BJQD/14 (1973)
9. The Awakening – Mirage From the album “Mirage” BJQD/15 (1973)
10. Calvin Keys – B.E. From the album “Shawn-Neeq” BJQD/5 (1971)
11. Rudolph Jonson – Time And Space From the album “The Second Coming” BJQD/11 (1973)
12. Walter Bishop Jr. – Blue Bossa From the album “Keeper Of My Soul” BJQD/14 (1973)

Atom™ - HD

[Review] ATOM™ – HD

Atom™ - HD

遅れ馳せながら拝聴。

変調控えめなプリセット感のあるチープなグリッチビートとボイス、
聴き手のイマジネーションによる補完を促すために必要十分に配置された空間、
そして、アイロニーとシニズムで出来ている。
秀作。

そして、
このネジレ感とブレ、
引用するエレメント、
シーンとの距離感、
すごく共感できる。